Discover 栃木 温泉文化遺産(温泉文化史)
 
 平家杉/上栗山開運の湯


○平家杉

 開運の湯の手前に平家杉があります。
 日光市教育委員会の説明板によると(栗山村の時の説明板が差し替え)
 日光市指定文化財 天然記念物 樹高33m 根回10m 推定樹齢約700年(指定時)

 「上栗山地区にある杉の大木「平家杉」は小無し杉とも呼ばれ
  昔、平家の落人がここに来て再び平家の世にならんことを祈って
  この杉の木を植えもし平家の天下にならぬ時は、実がならぬようにと
  祈ったので今だに杉の実生えが一本も出ないのだという。
  昭和40年3月20日指定 日光市教育委員会」

     

    


○上栗山温泉 開運の湯

 ※上栗山温泉「開運の湯」 休業→営業終了
  源泉ポンプ故障のため2020年10月23日から休業、「復旧できたらお知らせします」のお知らせが、
  「営業を終了いたしました」のお知らせとなりました(2021年4月10日)。
 

 「共同浴場「開運の湯」営業終了のお知らせ 2021.04.10
 共同浴場「開運の湯」は、源泉ポンプ故障のため営業を終了いたしました。
 楽しみにしていただいたお客さまには大変申し訳ありません。
 ご理解のほどよろしくお願いいたします。」

 「開運の湯 当分の間休館します 2020.11.16
 共同浴場「開運の湯」について、源泉ポンプ故障のため当分の間休館いたします。
 楽しみにしていただいたお客さまには大変申し訳ありません。
 復旧できましたらあらためてお知らせいたします。」

 「日光市のお知らせ 2020年11月16日(お知らせ消失)
 【休業のお知らせ】
 温泉施設の不具合により、現在休業しております。
 温泉を楽しみにお越しいただくお客様にはご迷惑をお掛けしますが、ご理解の程宜しくお願いいたします。」
 

<権現様>

 2020年12月に、由縁地の愛宕山頂の権現様に行ってきたところで、
 由来をかみしめて入湯しようと思っていたので、この時は休業でしたが、そのまま営業終了は残念です。
 

<今後>

 源泉が強力なので、ポンプ故障がよくあり、営業中と休業中が半々みたいな施設でした。
 今回は休業から営業終了とお知らせが変わったので、
 日光市からの指定管理の村の方々は続ける意思はなくなったということでしょう。
 最初の村の方々が集いふるまいがありましたが、そのうち当番制となり、そのうち無人となりました。
 日光市は営業終了の意思表示はしていないので、休業のお知らせのままです。
 日光市がポンプ故障を修理して、新たな指定管理者を募っても、村人以外では厳しいかと思います。
 

【営業していた時の記録】

     
 

<共同浴場の経緯>

 旧栗山村は住民の健康増進のため温泉を掘削し、温泉を各戸に引くことを目指しました。
 上栗山だけは、鉄分の多い泉質のため温泉を家に引くと設備の経済負担が大きいため
 住民の意思で共同浴場だけにしました。
 

<共同湯文化>

 桶が踊る西川温泉が閉鎖し、共同湯文化が残る貴重な存在です。
 おばあちゃんたちが持ち寄る煮物・漬物は、その腕前は無形文化財に指定されても良かろうかとさえ思えます。
 きぬ姫の息子さんの訃報のお話をお聞きしたのは、この場でした。
 「若かったのにね。朝は元気に出かけたのに。その他諸々。」
 

<3分で色づき>

 貸切状態だったので、4つの桶を全部使って観察開始です。3分で色付きます。
 右から、湯口の源泉(無色透明)→5分経過の源泉→10分経過の源泉→湯舟の源泉。

    
 

<ふるまい>

 湯上がり後、休んでけとのことで、ご馳走になります。
 当番がおじさんで、おばあちゃん方が遊びに来ていないとふるまいはありません。
 当番で運営しているので人件費は0円ですが、運営は赤字。
 野菜や漬物を売れば足しになるでしょうが、再訪者を増やすほうが効果的とも思います。

   
 

<「浅間の湯」「権現の湯」由来>

 鬼怒川に向かって湯口が左にあるのが「浅間の湯」、湯口が右にあるのが「権現の湯」。
 命名には、なにか云われがありそうで気になっていましたが、ようやく由来がわかりました。

 「「権現の湯」のいわれは何ですか?」
 「さぁ、なんで権現て名前つけたんだろうねぇ。」(ご存じない様子)
 「栗山東照宮の徳川家康かなぁ」(自問自答)
 「そうじゃない(力強く)!。あの山の権現様が女の人の神様で、あの山が浅間山。
  子どもが生まれると、男の人が浅間山に登って権現様にお礼に行ぐんだ」(実はご存じ!)
  子安の権現様です。

 川俣温泉の平家塚は「見れば目がくさる」「さわれば手がくさる」「登れば足がくさる」
 と伝えられており、開運の湯の近くには平家杉があります。
 浅間山の権現様は平家関連ではないと思いますが目立ってはいけないのかもしれません。

     
 

(参考)

 上栗山温泉は、若間地区等へ引湯もされていましたが、泉質から苦労が多かったようです。
 紅葉荘(廃業)で入浴したことがありますが、透明感が高かったのは磁気溶解装置の作用だったようです。

 【まちづくり懇談会(平成19年8月)】より以下引用
  「若間自治会地区と蛇王平民宿村への給湯は平成12年4月に開始されましたが、
   温泉成分(スケール)の管内付着により閉塞し年々湯量も減少し、
   平成17年7月と8月から高台にある3世帯が休止状態。
   平成17年10月に磁気によりスケールを溶解する装置を付けましたが、
   距離が長いために磁気の効果も薄れて付着が進み高台の3世帯への給湯がされないでいると思われます。

(備忘録)
 駐車場で、これから西川温泉に行きたいらしい方が場所を知らない様子。
 口で説明するも土地勘なく理解してもらえません。
 ナビにセットしてと言うのでナビにセットしました。
 サイト持っているのでと渡されたアドレスにアクセスすると
 「秘境温泉 神秘の湯」がど〜んと出てきた!


春日神社

 開運の湯の真横に春日神社があります。
 栗山郷は、天慶年間(940)より藤原秀郷の領地であったため、藤原氏の氏神の信仰が特に厚いです。

 春日神社(藤原家の氏神)が上栗山と西川にあります。
 高房神社(御祭神は藤原高房)が西川と湯西川、湯西川下地区にあります。

    春日神社(上栗山) 
  

   春日神社(西川神社群)      高房神社(西川神社群)      高房神社上社(湯西川)     高房神社(湯西川下社)
     


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