Discover 栃木 温泉文化遺産(温泉文化史)
 

 掛け流し温泉旅館

  【大網】【福渡】【塩釜】【畑下】 



○湯守 田中屋

 野天風呂は有名ですが、内湯も掛け流し。
 最上階に展望風呂があります。殿方は「宿六の湯」、婦人は「小町の湯」。
 浴室に入ると陽光がまばゆい。高すぎて、箒川の川面は見えません。

 自家源泉「大網4号」かけ流し。高温なので投入湯量はさほどではありません。
 寝湯、ジャグジー、全身と浴槽が3つ、サウナ、水風呂。

 脱衣所の手前には畳の休み処があり、湯上がり後は、思いのほかゆっくりできます。

 飲泉所には「フッ素を含有する温泉なので、乳幼児の飲用を避けること。」と
 掲示されているので、湯口の湯も同様の注意が必要でしょう。

 以前は内湯も日帰り可でしたが、現在は日帰り受け入れは、野天風呂のみです。

     

     
 



恵山荘

 福渡の恵山荘は、湯めぐり手形に参加しておらず、ネットで見かけることがありません。
 まちめぐり案内に参加すると、恵山荘の割引があり利用しましたが、現在は対象から外れました。

 箒川沿の内湯です。「塩釜右岸源泉」のかけ流し。
 湯口高温ですが、湯舟内適温。ザコザコ流れていきます。
 桶は6個もありますが、ここもカランは1個だけ。
 浴室内の多くの植木鉢を見ると、同じく植木鉢が並んでいるピラミッド温泉が脳裏に浮かびます。

 福渡温泉は、歴史ある宿の閉館が多く残念。

    

    

    
 

 古式湯まつり温泉ふるまい(2019年9月29日)

  植木が多いのです。玄関に植木があるのは当たり前ですが、玄関の中にも植木。
  浴室内にも植木がたくさん。
  湯口の岩組にはバランスよく以前は植木が3つあったのが、4つに増えてる!
  窓際の4つは変わらず。
  久しぶりにここの風呂に入りましたが、かけ流しのよい湯です。

     

     

     



彩つむぎ

 与謝野晶子の歌が短冊にしたためられており、しばし魅入りました。
 休館中のホテル明賀屋の駐車場には高尾塚があり、塩の湯へ向かう左手には
 お兼さんの頌徳碑があり、畑下には離れ室城があります。
 君島城主の末裔が経営される新しいけれども伝統のある宿です。

       
 

<大石風呂>

 内湯は大石があったところに風呂をつくり、大石風呂としています。
 彩つむぎは、ホテル明賀屋別館山水荘を改装したので、源泉名「山水荘源泉」。

     
 

<露天風呂「もみじの湯」>

 高尾太夫を意識しての命名かな?
 HPだと使用源泉は「ぢの湯・めの湯」と記載されており、 
 共同湯「ぢの湯」で使用している源泉と思っていたら、
 分析書は、源泉名「塩釜区左岸源泉・親抱の湯混合泉」。沢水の加水のみの掛け流し。
 これは驚きました。
 まさか共同湯「親抱の湯」の源泉につかれるなんて。
 塩原のかつての名勝「親抱の松」は枯れても、源泉名にその歴史をとどめている名湯です。
 露天風呂の湯舟内は、岩が加工されて平らになっており、ずり落ちることなく腰掛けることができます。
 入浴する人への配慮がとても行き届いていると感じます。

     
 

<丁寧な対応>

 帰りに従業員の方にお礼を言うと、とてもご丁寧な対応です。
 ふと「ぢの湯」でなくて「親抱の湯」なんですねとおばかなことに言及して、
 「ねぇ知ってる?」で従業員の方が2人出てきて、
 知らないなりに一生懸命答えてくださり、見送りまでしていただき恐縮しました。



湯の花荘

 湯の花荘はその立地から畑下温泉に分類されていますが、使用源泉から言えば塩釜温泉。
 かつて日帰り入浴1,000円の時がありましたが、日帰り入浴はできなくなっています。

 源泉名「塩釜区左岸源泉・親抱の湯混合泉」
 おぉ!ここでも親抱の湯です。
 しかも源泉が高温ですが、熱交換機を使用して、加水していません。
 露天、内湯とも完全かけ流しです。
 実際には源泉熱すぎるので熱交換しても高温なため内湯は少々加水しています。
 すこぶる極上です。

 露天風呂から見える遊園橋が八峰苑のことを思うと寂しくなります。

     

     

      



塩原湧花庵

 紙屋→ホテル神谷→おん宿神谷→湧花庵と宿の名前が変わってきています。
 ホテル神谷が休業し、茨城のやすらぎの湯へローリーで源泉を茨城へ運んでいました。
 神谷源泉を使用していた「やすらぎの湯 勝田館」は「勝田あかつきの湯」に経営変わり、
 「やすらぎの湯 河和田館」は「いちの湯水戸店」に変わり、それぞれ温泉は使わなくなりました。
 日帰り入浴は、7階展望風呂の利用となります。

   
 

<展望風呂>

 畑下源泉掛け流しは、7階展望風呂の男湯「雄山」女湯「せせらぎ」。

 7階展望風呂は「畑下源泉」(旧町営畑下源泉)の分析書を掲示しています。
 分析書の申請者は畑下源泉代表とあり、申請者の住所は「はとや旅館」(閉館)です。

 影響を与える事項の掲示はなし、かけ流しです。

 湯船は窓に沿って大きいですが、湯船内段差になっているので、思ったほど湯はためこんでいません。
 湯口では金気臭がします。湯口からの湯量と同量がオーバーフローしていきます。

    

     

    
 

<景色>

 浴室と屋上からの景色が良いです。
 ・離れ室城跡が見えます。
 ・吉井の滝が見えます(木々に覆われ見えませんが、存在場所が見えます)。
 ・普門渕が見えます(箒川が「くの字」になっているのが視認できます)。
 ・畑下温泉神社が見えます。

     

    
 

<貸切風呂>

 1階に貸切風呂「宝招の湯」「招福の湯」があります。
 自家源泉「畑下元湯神谷源泉」掛け流しです。

    
 

 <渓流貸切露天風呂「楓の湯」>

  共同湯「青葉の湯」が、湧花庵専用となりました。
  ぬりやの大旦那が言っておられましたが、旅館買った人の所有で手出しできなくなったと。

     
 

<源泉の素性>

 畑下元湯神谷源泉の掲示がないので、聞いてみると、
 責任者らしき方はよくわからないようで、若い男性にどうなの?と水を向けます。
 すると、この男性、とても詳しい、スラスラと説明します。
 「1階の風呂に自家源泉の畑下元湯神谷源泉をかけ流しています。
  7階の展望風呂は、畑下源泉(旧町営畑下源泉)と、畑下元湯共有源泉の両方を混ぜて
  かけ流しています。
  畑下元湯共有源泉は、福久寿苑さんと共有している源泉で、畑下元湯神谷源泉が自家源泉となります。
  畑下源泉(旧町営畑下源泉)は、川のところから湧出しており、他の宿も使用しております。」
  宿泊客が次から次に入ってきて、忙しいのに、丁寧に説明していただき、
  これまでの疑問が氷解し、感謝しています。

    
 

<明治の頃の紙屋>

  
 

 ※ 2018/9 「塩原温泉 湧花庵」に宿名変更。オーナー変更となった模様。
  以下理由から、2018/9経営が変わったと推察します。
  ・宿名が「塩原 湧花庵」から「塩原温泉 湧花庵」に微妙に変更。
  ・ホームページが一新され、アドレス変更。
  ・北投石研究所付属クリニック(梅山孝江院長)が宿内に開院。
  ・塩原温泉旅館協同組合HPの宿一覧からはずれる。
   (温泉ふるまいで訪れた時に、営業を確認したので、閉館はしていません)
  ・アマネク(旧エスタックス)HPの運営ホテル・旅館に「塩原 湧花庵」がない。

  新しいホームページを見ると、
  以前貸切風呂だった1階の「宝招の湯」「招福の湯」が大浴場となっています。
  ここは、自家源泉「畑下元湯神谷源泉」(自然湧出)を掛け流していました。

  7階の展望風呂は、畑下源泉(旧町営畑下源泉)と畑下元湯共有源泉の両方を混ぜてかけ流していました。

  日帰り入浴は以前は展望風呂のみ利用可でしたが、
  1階の浴場も利用可であれば、「畑下元湯神谷源泉」につかることができます。
  日帰料金850円(800円+入湯税50円)で心理的抵抗がありますが、
  源泉3本使用の、かけ流しの温泉でそそります。

  ※大和屋旅館(閉館)は、エスタックスが取得していましたが、
   こちらも手放していたとすれば、今後の動向が気になるところです。

     



福久寿苑

 昔は手形にも参加していましたが、現在は立ち寄り湯はやめています。

 「畑下元湯共有源泉」を単独で使用しています。
 この源泉は、湧花苑と福久寿苑で共有する源泉で、
 湧花苑は畑下源泉をメインに共有源泉を混合しており、
 ぬりやは、畑下元湯共有源泉から、畑下源泉に切り替えているので、
 畑下元湯共有泉単独使用に入れるのはここだけ(源泉を切り替えていなければ)。

 ワンちゃんの温泉もあります。
 翔人(はと)の湯(男湯)は内湯に付け足しの露天風呂。
 福久姫の湯(女湯)は内湯のみ。こちらに入ると評価低くなるでしょう。
 (夜21時に男女入れ替えあり)
 露天の眺望は宿裏の壁しか見えません。

 影響を与える事項「気温の高い期間のみ温度調整の為加水しています」他はなし。
 加水は客任せ、熱い時は、自分でホースで加水するようにと記載。

 内湯、露天ともかけ流しでした。
 鉄臭・鉄味で良い源泉です。
 源泉が高温なので、小さな露天は熱かったけれども、加水せずにがんばりました。
 内湯は大きいので、加水せずに無理なく入れました。
 黒糖シャンプーとコンディショナーは初めて見ました。
 脱衣カゴの布カバーも感心しました。

     

     

     

    
 

<カエル>

 玄関入ってすぐ右手に、カエル

 
 

 2018年温泉ふるまいでの入湯記録

 4湯目は福久寿苑へ。2011年の温泉ふるまいの参加以来、久々の参加です。
 昔は手形にも参加していましたが、現在は立ち寄り湯はやめています。
 翔人(はと)の湯は、内湯に露天風呂とあります。福久姫の湯は内湯のみです。
 夜21時に浴室の入れ替えあり(掲示)。

 「畑下元湯共有源泉」のみを使用しています。
 この源泉は、湧花庵と福久寿苑で共有する源泉で、
 湧花庵は畑下源泉(旧町営畑下源泉)をメインに共有源泉を混合しています。
 ぬりやは、畑下元湯共有源泉から、畑下源泉に切り替えているので
 (掲示の源泉の分析書が変更されたので、そう判断しましたが、
 湧花庵のように両方使用している可能性はあり)
 畑下元湯共有源泉の単独使用は福久寿苑だけです。
 鉄臭・鉄味で、露天風呂は共同湯みたいで、満足度高いです。

 天気が悪かったせいもあるのか浴室内暗くまともに撮れなかったので、3枚目以降は過去の画像です。
 基本、何も変わっていません。

    

   



ぬりや

 「畑下元湯共有源泉」から「畑下源泉(旧町営畑下源泉)」に使用源泉を切り替えていますが、
 従来から掛け流し(加水はあると思う)。
 下の湯を管理されている大旦那が、昔のことや畑下の温泉に詳しく、色々と教えてくださり、感謝です。
   
    

    
 

 <大谷石の蔵>

  畑下に大谷石の蔵があります。ぬりやの所有とのこと。

  


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