茨城県は、南部はバリ泉(循環ろ過バリバリ塩素温泉)が多く、
北部の北茨城市と常陸太田市に個性的な良い温泉が集中している印象を持ちます。
横川温泉は、源泉名の「折橋鉱泉」とも呼ばれています。
巴屋旅館、山田屋旅館、中野屋旅館の3軒の宿があります。
巴屋旅館の茅葺屋根が有名です。
茅葺屋根/巴屋旅館 元湯/山田屋旅館 創業200年/中野屋旅館
<横川温泉の由来>(中野屋旅館の説明板)
西暦1057年、八幡太郎義家一行が、常陸国増井、勝楽寺に投宿した後、奥州征伐に北上途中、
陸奥との連絡路をこの地に設営しようとしていた折に、湯壺を発見、
義家一行が湯小屋を作り、このいで湯で戦いの傷や疲れを取ろうと入浴したところ、
その効め四日で現れし故、それがなまって横川の湯と言い伝えられている。
昔の人は湯小屋か四日の湯と今でも呼んでいる古い温泉であり、当旅館は義家ゆかりの湯である。
<開湯>(山田屋旅館の説明)
川沿いに湧く清水に小屋をかけ、営業らしき事を始めたのが、山田屋旅館の遠い祖先小林長五郎であり、
時に宝暦3年(1753)の事でありました。
<折橋鉱泉>
源泉「折橋鉱泉」ですが、横川鉱泉の横を流れる天竜川で掘削・自然湧出しています。
源泉小屋があり、祠もあります。
茨城県薬務課の情報によると、茨城県内では一番浅い(1.2m)井戸となっています。
パイプで対岸の小屋へ → ポンプアップ
母屋は、明治初期に建築された木造茅葺屋根です。湯小屋は別棟で瓦屋根。
源泉名「折橋鉱泉」アルカリ単純硫黄冷鉱泉。源泉地に一番近い宿です。
影響を与える事項「源泉温度が低いため入浴に適した温度に保つため加温しています」
風呂は男女別の内湯で、循環なしの加熱源泉のかけ流しです。
ヌルすべです。
加熱源泉と浴槽内の湯は加熱のためか硫黄臭はしませんが、非加熱の源泉は硫黄臭がうれしい。
非加熱源泉を、何度か頭からかぶると全身ぬるぬる〜の硫黄臭。
絶品、良い湯です〜。
遠くから湯に入りに来る方々多いそうです。
湯は、7時には入れるようにためるそうです(日帰りは9時頃から入浴可20時まで)
お風呂だけでもまた入りに来てくださいねとおばあちゃん。
いろりに火がともされている光景も良いです。
いろり撮ろうと思うも、おばあちゃん姿見えなくなるなで「じ〜」と
見送ってくれるので、気後れして撮れませんでした。
「巴屋旅館」「元湯山田屋」「中野屋旅館」3軒の中で、中野屋旅館は建物が一番新しいホテルです。
源泉「折橋鉱泉」の湯づかいは巴屋旅館が加熱かけ流しで極上ですが、
中野屋旅館は循環仕様です。
「横川鉱泉の由来」の説明板が掲示されています。
内湯の湯口は循環分、浴槽内硫黄臭は感得できませんが、
源泉の実力は残っており、ぬるすべです。床もぬるぬるで転けそう。
源泉蛇口があるのは嬉しいところです。
硫黄臭で、ぬるすべ強く、良い鉱泉です。
栃木だと馬頭の小口の湯に印象が近いです。
生源泉を桶にため、冷たすぎるので浴槽の湯を足し、頭からかぶると全身ぬるぬるの硫黄臭に包まれました。
大菅温泉は、「元湯旅館」と「里美屋旅館」の2軒があります。
源泉名「大菅鉱泉」を使用しています。
歴史は古いようですが、里美温泉や横川温泉が近くにあるので、目立たず地味な温泉です。
○大菅温泉 里美屋旅館 常陸太田市大菅町193 0294-82-2711
「元湯旅館」の壁に大きく記された元湯の文字に惹かれますが、
情報の少ない里見屋旅館のほうで入浴。
女将さん、自宅の2階で洗濯物を干していたので、下から声かけて入浴。
源泉名「大菅鉱泉」
木の蓋を開けるのは、鉱泉ならではの気分となります。
蛇口の源泉は、ぬるぬる〜で、桶にためて頭からかぶって気持ち良かったです。
窓の外は、目の前が元湯旅館。
近くにすばらしい「折橋鉱泉」があるので、どうしても比較してしまいますね。
一回りスケールダウンといった印象です。
背後に山、前に山田川が流れています。
パンフには「水府鉱泉」「出羽の湯」の文字はなく、温泉旅館
宝来館。
源泉名「水府鉱泉(出羽の湯)」
ぬるすべの鉱泉です。
最初は、ぬるすべは馬頭や松島温泉より弱いかなと思ったものの、
時間が経つと、じわじわヌルヌル度が増して全身納豆状態。
こういう宿は、脱衣所の蛇口も怪しいと思いひねってみると、手がぬ〜るぬる。
脱衣所の蛇口も、源泉を使用しています。
帰りに確認するとやはり脱衣所の洗面台も鉱泉使用とのこと。
もちろん、蕎麦も鉱泉を使用しています。
蕎麦だけを目的に食べに来られる方々も多い宿です。
煙突から煙がのぼっています。
浴用加熱していますが薪で沸かしています。「重油高いですからねぇ」と女将さん。
薪で湧かしていた北茨城市「岩塙温泉井筒屋」、城里町「白山荘」、大子町「浅川温泉弁天の湯」が廃業したので、
茨城県内で薪で沸かしている鉱泉は、「川中子温泉
極楽荘」だけとなりました(と思う)。
薪で沸かしていることに言及されることがありませんが、特筆もんだと思います。
栃木県だと薪で沸かしている鉱泉は、「赤滝鉱泉」だけです。
源泉名「川中子温泉」加温、循環ろ過、塩素の掲示あり。
モール臭の重曹泉。ぬるすべ〜。かけ流しではなくても、良いです。
源泉をケロリン桶にとってみると無色透明、湯舟内は黒湯に近い茶褐色です。
浴室内には大理石のレリーフ。
カランから桶にとった湯もヌルヌルしているので源泉使用かも。
シャワーのホースが茶色に着色していました。
ボイラー故障を数年放置で、カランからお湯は出ないようです。
お風呂は薪で沸かしているので支障がないのでしょう。
源泉名「里美温泉1号井」単純硫黄泉(硫化水素型)
「加温、循環ろ過、塩素」
pH10.3の源泉の実力は?です。
内湯、露天風呂とも、オーバーフローの量からみて、湯口は源泉と思われますが
貯湯タンクに塩素を添加しているのでしょうか、湯口からすでに塩素臭がします。
硫黄臭もどこへやら、嗅ぎ分けることができません。
露天風呂では塩素と源泉の成分が化合して、湯面にアカのような白い浮遊物。
(源泉と塩素の化合物でアカではありませんとの掲示あり)
pH10オーバーだけあって、ぬるぬる度ととろみはあります。
2018年12月まで改修工事中です。
リニューアルオープンしても、休日の入浴料1030円だと入る気しないです。
温泉法上規定の温泉に届かないので天然水の浴場です。
ロッカーはコインではなくペーパーロッカーです。
受付でもらったロッカーの紙をコインの代わりに差し入れると鍵が回ります。
温泉ではないので温泉成分表ではなくて水質成分表があります。
炭酸水素イオン195.9mgのpH8.8、肌がつるつるします。
温泉ではないので影響を与える事項の掲示はありませんが、加温、循環、塩素でしょう。
加水はないと思います、温泉ではないのに加水の有無というのも変ですね。
内湯、露天とも塩素臭。かけ湯のみ塩素臭はありません。
循環がメインで、オーバーフローは少々。
丘を登っていったところに「西金砂杜の湯」という週末だけ営業の浴場がありましたが閉館しています。
<金砂天然水スタンド>
無料の金砂天然水スタンドがあります。