「全国温泉鉱泉ニ関スル調査」(内務省衛生局編 内務省衛生局 大正12年)によると、
東京府には、鶴ノ温泉(奥多摩)、岩倉温泉(青梅)、森ヶ崎温泉の3つが掲載されています。
浴客者数を見ると、鶴の温泉と岩倉温泉が4〜5百人に対し、
森ヶ崎鉱泉は5万5千410人と桁違いに多いです。
鶴の湯温泉と岩倉(岩蔵)温泉は、今も営業しています。
両温泉は、東京都内では一番古い温泉だったわけです。
補足ですが、西多摩郡はかつては神奈川県に属しており、1893(明治26)年に東京府へ移管されています。
<いやっしゃいませ>
岩蔵街道から岩蔵温泉へ向かう旧道入口に歓迎看板が出ています。
「いらっしゃいませ」看板には、「儘多屋」しか記されていません。
過去の画像を見ると、左に「司翠館」、中央に「儘多屋」、右に「かわ村」とあります。
岩蔵温泉は、5軒の温泉宿がありましたが、閉館や破産で、現在は儘多屋が土日祝に営業しているのみです。
歴史的なものは若干残っていますが、温泉街の雰囲気は皆無です。
営業する宿は、儘多屋のみで、宿のフェイスブックによると日帰り温泉は中止中です。
【営業中】
・岩蔵温泉 儘多屋 青梅市小曾木5-3140 0428-74-4221
・CAFE YUBA 青梅市小曾木5-3142 0428-74-4405
儘多屋が運営する喫茶店です。店名の由来は「湯場」で、そのままです。
【廃墟】
・司翠館 青梅市小曽木1-3466-2 2019/1/31休業 2/28破産
・かわ村 青梅市富岡3-1055 2016年頃?閉館。
・鍋屋旅館 青梅市小曾木5-3164-1 2015年頃?閉館。
鍋屋旅館入口の屋根に穴が。朽ち果て進行形です。
源泉櫓がむなしく残ります。
黒田さんの記録があります。
・多喜山館 青梅市小曽木5-3074-1 2013年頃?閉館。
源泉は青梅市の史跡に指定されています。
源泉は見えません。
奥多摩新四国88ヶ所霊場の第11番の大師堂です。
この札所は、昭和9(1934)年、西多摩郡瑞穂町の武田弥兵衛氏を中心として、東京善心講の人たちにより
弘法大師御遠忌千百年を記念して開創した霊場とのこと。
11番札所の大師堂には、弘法大師像(左)と薬師如来(右)が祀られています。
奥多摩新四国88ヶ所霊場については、「東大和と寺院散策」(管理者きのみや氏)の中で
詳しく紹介されています。よくまとまっていて参考になりました。