Discover 栃木 温泉文化遺産(温泉文化史)
 
 奥日光開発株式会社の7号源泉

  もみの木通りの宿は、7号源泉の単独使用で、透明な湯に出会えることが多く
  6号以下の番号の若い源泉は、白濁傾向に感じます。
  タンクやパイプに湯花が付着している経年の影響もあると思います。
  7号源泉に一番近くて、同源泉を使用しているのは温泉寺ですが、
  小さい湯船に参拝客が多いためか湯船内のお湯が透明なことはない印象です。

  高温の源泉のため、加水が少なかろう冬を中心に入浴しました。


【かつら荘】

 日光湯元温泉で一番奥で一番標高の高い1500mに位置する旅館のひとつ。
 湯元の一番奥の通りである「もみの木通り」には。
 奥から「山の宿」「かつら荘」「ミノヤ」「ゆの森」「白根荘」「森のホテル」と続きます。

 浴室の改装前の古い画像です。宿のHPに、現在の綺麗な内湯と露天が掲載されています。
 以前は内湯の上を木造の橋が渡されていましたが、普通の通路に改修されています。
 古い時でも満足度100%でした。

 「お客者のお好みにより差し水」です。
 入浴客が加水する場合は当然あるから良心的な記載と思います。
 
 露天風呂は後から追加されたので、内湯を横切って露天にでます。
 
 露天風呂は、家庭用風呂マットがあるのが嬉しかったです。
 内湯から数歩しか歩かないけど、心遣いが嬉しいです。
 露天風呂の保温と落ち葉対策でしょう、発砲スチロールのフタがありました。
 縁からオーバーフローさせると蓋が流れるので、水面の穴からオーバーフローでした。

    

   

 浴室改装後の新しい画像です。

    

    


【奥日光湯元温泉 ミノヤ】

 オーナーは写真家、奥日光の自然を写真で見るのも良いです。

<内湯>

 ライオン湯口周辺だけ透明で、湯面には白い粉が湯面を覆って白っぽくなっています。

    

<露天風呂>

 露天風呂はひとつ。時間で男湯と女湯が入れ替わります。

 露天風呂は、湯底が見えるほど透明なエメラルドグリーン。
 鏡面のように周りの風景を反射します。
 今もいるかどうかわかりませんが、動かないリスがいました。

 暖かい時期は、竹筒の湯口から源泉投入ですが、寒い時期は、湯中2カ所から湯を投入。
 湯温下がり過ぎるのを防ぐためフタがあります。
   
     


【白根荘】

 部屋数10の小さな宿。今は日帰り入浴は受けていませんが、かつて日帰り入浴を受けていた時の記録。

 「表面に浮いてるのは湯花ですから」と言われ適当に返事したら
 再度「湯花ですから」と念をおされました。
 その理由は後ほど、内湯をみて氷解します。
 膜のような湯花で、汚れているとか苦情出たりするんでしょうね。

 露天風呂は、かつら荘、ミノヤ、森のホテルのほうが良いです。
 でも白根荘の内湯の湯花は圧巻でした。

<暖簾も風流、立派な雨傘>

 「ひこぼしの湯」にかかる暖簾。
 「雲を見上げて」「星を数えて」風流ですねぇ。

 雨笠「雨の露天風呂用 白根荘」。
 ここの雨笠は立派です。

    

<びっくり現象の内湯>

 加水は客任せで、一番風呂の内湯を見てびっくり!
 湯の表面に湯花が膜張ったみたいに浮いています。
 表面は一面湯花ですが、湯中は透明で湯底のタイルのはげまで見えます。

 フラッシュを焚くと、湯花に光が反射します。
 光は湯底まで届き、タイルのはげまで見えます。

 湯口から遠ざかるほどに、湯花が浮く。
 こんなの見たことがない、スゴイ!

    

 内湯の湯口は、源泉をパイプで受けて、湯底に注がれています。
 下からわき上がってくる源泉の部分だけ透明です。スゴイ!
  
   

<加水してかき混ぜたらバスクリーン>

 熱すぎて入れないので、加水してかき混ぜたら、
 湯底が見えないぐらいに濁って色が変わり、バスクリーンを入れたようになりました。
 それでも緑色がキレイ。

   

<露天風呂>

 池みたいな露天風呂で、かつら荘やミノヤのように蓋をしてないので小枝とか入っています。

 照明装置まであります、照明の光が当てられるであろうその景色。
 露天風呂から左手に見えるタンクの上に太った「猫」!
 温かい場所をよく知っていますね。

     


【奥日光森のホテル】

<子どもに優しいホテル>

 本業が結婚式場等のためでしょう、接客の対応やちょっとした心遣いがすばらしい。
 会長の方針で、子どもたちに喜んでもらえるように子どもへの対応に腐心しています。
 修学旅行で使う学校には、のんびりしてほしいと一般客を断って貸切にしてしまうことも。
 本物志向が強く布団も高価なものを使用しています。
 食事も料理長が自信を持たれています。
 貸切風呂(家族風呂)がありますが、修学旅行では硫黄泉がダメな子ども向けに
 白湯のかけ流しにしています。

<源泉「営林署源泉・奥日光開発7号源泉混合泉」を使用していた時>

 閉鎖したはるにれの湯と同じような印象で、営林署源泉の性格が強く出ていたと思います。

    

    

<源泉「奥日光開発7号源泉」単独使用となってから>

 内湯は白濁になりかけのグリーンのいい湯で、露天は透明な湯。

 湯口は、一定の間隔で湯が出たり止まったり、温度調整にはこういう方法もあるのかと思いました。
 内湯より、露天風呂のほうが湯口から湯が出ている時間が長いです。
 湯口から湯が出ていないのを見て、湯口をのぞいている人、
 危ないですよ!(とは言わなかったのでごめんなさい)。

 露天風呂からのオーバーフロー部が内湯からの通り道も兼ねており、
 溢れた湯を踏みしめ、硫黄の白い小道を進むのは、冬は、足裏が冷たくならなくて良いです。
 露天風呂は小ぶりでなかなか良いです。景色は山々、雲がものスゴイスピードで流れていく絶景。

 貸切風呂もエメラルドグリーンの透明でした。

    

    

(備考)

 お湯張りの時に源泉で湯船をうめていくと激熱になるので、
 てっとり早く、最初に白湯でお湯はって、そこに源泉を投入していくところもあります。

 奥日光森のホテルは、露天風呂は透明な時が多く、責任者らしき方に確認すると、
 白湯を張ってからの源泉投入はしておらず、源泉で湯をためるとのことで、
 それでも熱いので、加水しながら湯を張るとのことでした。

 奥日光開発源泉の高温に、加水ではなくて、熱交換器を使用しているのは
 湯の家と奥日光高原ホテルだけですが、もまれているうちに白濁してしまうのか透明な時は皆無です。


戻る