Discover 栃木 温泉文化遺産(温泉文化史)
 
 奥日光開発株式会社の源泉使用宿

  「1、2号」→「1、2、3、4、7号森林管理署混合泉」
   ※台風の被害で、現在は左記から右記の湯づかいとなっています。


○ホテル湖上苑

 ※2017年9月から、日帰り入浴は休止しています。

 湖畔園地の畔、舟着き場の横に、旧外国大使別荘跡のホテル湖上苑が立地します。
 中禅寺湖の対岸から湖上苑を見ると、男体山の麓の絶好のロケーションです。
 客室10室の小さな宿です。
 宿名のとおり、中禅寺湖に一番近い宿、中禅寺湖に一番近い露天風呂です。

 明治42年「中禅寺全景之図」
 説明文を一部抜粋
 『明治42年の「中禅寺全景之図」には、外国人専用のホテルも見え、
 湖面にはボートやヨットが浮かび、早くから西洋文化との交わりがありました。』

 別棟に浴室が3つ並んでいます。
 一番手前に貸切風呂、その横が女湯、一番奥が男湯となっています。

    

    

【貸切風呂】

 表面には細かい湯花が浮いています。
 岩組の風呂のため黒っぽく見えますが、湯はかなりな透明度があります。
 湯口は、ここまで引湯してもかなりな高温な源泉です。
 湯舟が小さいから源泉投入量はこれぐらい。

 湯口の湯を桶にとってみると、湯口からは無色透明に見えましたが、
 桶に溜めてみると若干緑色を示しています。

 身を沈めると、ハンパでない量の湯がドバ〜っと音をたてて湯舟からあふれ出ます。
 ものすごい贅沢な気分です。

    

【内湯】

 内湯は小さな岩組の湯舟、
 底まで見える緑色の硫黄泉です。

 湯口は陶器が使用されています。

 左が湯口からの湯、右が水。湯口では無色透明に見えましたが
 湯桶にすくってみるとはっきり緑色がかっています。

 内湯は軒先にあり、陽光がまばゆいぐらいの採光です。
 露天風呂は硫黄泉らしい白濁
 貸切風呂、内湯、露天風呂とすべて湯の色が違います。

     

【露天風呂】

 露天風呂が平成18年に設置されています。小さな木枠組の湯舟。
 湯口はこちらも陶器を使用。
 源泉はこの陶器に一端受けて、溢れた湯が塩ビの管を下って湯底に注がれています。
 左が湯口の源泉、右が水、源泉は緑色を呈しています。

 ガラスの覆い越しに目の前は中禅寺湖。
 ガラスの覆いによって、風があっても露天風呂の一画は寒くなく快適です。
 中禅寺湖が鏡の鏡映により見えるように工夫されていて、心憎い演出です。

 船着き場に出て露天風呂を確認すると木とガラス枠で囲まれているのがわかります。
 外からの見栄えは悪いですが、この空間で過ごす分には快適です。

 小さな岩組内湯、小さな露天風呂、小さな貸切風呂。
 湯の色がそれぞれ違いました。
 露天はぬるめ、内湯は熱め、家族風呂は適温。
 3つの湯舟を堪能でき、マニアック的に良いです。

     

    


○ホテル湖畔亭

 ※2019年11月30日閉館しました。

 ホテル蔦舎(旧メモリアルホテル蔦舎・慶応4(1868)年創業)が閉館し、
 2009年8月25日におおるりグループ「ホテル湖畔亭」オープン。
 蔦舎の痕跡が随所に残っています。

 「一日の行楽ー中禅寺行き」(田山花袋 博文館 大正7)によると
 「旅舎では、私はいつも蔦屋に泊った。」と、田山花袋は、蔦屋をひいきにしていました。

 温泉使用は露天だけで、内湯は以前は温泉ではなかったはずですが、
 内湯も温泉を使用しています。

 源泉投入法はおおるり方式。露天は鮮度いまいち、内湯のほうが新鮮。
 露天は4分の1ほど板で浴槽が狭められています。

    

     

     

     


〇シンプレスト日光  日光市中宮祠2484 0288-51-0601

 ※2022年4月24日閉館しました。

<変遷>

 ホテル蔦舎(旧メモリアルホテル蔦舎・慶応4(1868)年創業)が閉館し、
 2009年8月25日「ホテル湖畔亭」(おおるりグループ)がオープン、2019年11月30日閉館。
 2020年3月20日シンプレスト日光オープン。
 「奥日光ホテル四季彩」と「湯守釜屋」も同系列で、ここだけ宿名が変更となっています。

<田山花袋贔屓の宿>

 「一日の行楽ー中禅寺行き」(田山花袋 博文館 大正7)によると
 「旅舎では、私はいつも蔦屋に泊った。」と、田山花袋は、蔦屋をひいきにしていました。

<中禅寺湖側>

     

<山側>

     

<日帰り入浴>

 オープン時には、日帰り入浴不可で残念だなぁと思っていましたが、4月14日から日帰り入浴を始めています。
 リロクラブのクーポン使用で800円→400円で入浴(ドンキホーテのmajicaクラブオフがリロクラブと提携していてクーポン入手)。
 ホームページを見ると、1000円と800円の異なった表記がみられ、9月に入って値上げしたかも?
 リロクラブのクーポンは800円→400円のままです。
 湯守釜屋もクーポン利用で400円で入浴できます。
 シンプレスト日光を運営する株式会社ワールドリゾートオペレーションは、
 株式会社リログループの100%出資子会社です。

<受付>

 中禅寺湖側1階、カフェバー入口にフロント、受付。

     

<リラクゼーションスペース>3階

 別棟となっている温泉棟への通路入り口にリラクゼーションスペースがあります。
 眼前に中禅寺湖が良く見えます。

     

<奥日光開発源泉>

 湖畔亭の時の「とちぎにごり湯の会」のプレートが掲示されていますが、
 シンプレスト日光となって、加盟はしていません。
 源泉名「奥日光開発1.2.3.4.7号、森林管理源泉混合泉」
 含硫黄-カルシウム・ナトリウム-硫酸塩・炭酸水素温泉(中性低張性高温泉)(硫化水素型)

     

<別棟へ>

 温泉棟は別棟で3階にあります。
 板屋も別棟の3階にありますが、
 そうしないと部屋の電気系統がすぐやられるとおっしゃっていたのを思い出します。
 手前が女性で奥が男性、湖畔亭の時と同じです。

    

<脱衣所>

 ドライヤーは「湖畔亭」と書かれていたので、そのまま使用です。

   

<内湯>

 グリーンの透明湯の表面に白い硫黄の膜が浮いています。
 源泉投入はおおるり方式を継続しています。
 湯の状態は、内湯のほうが露天より新鮮に感じます。
 湖畔亭の時と変わりなし。

     

     

    

<露天風呂>

 ぬるめです。
 湖畔亭の時は露天風呂内に板をいれて狭くしていましたが、板は取り払われています。
 内湯からは中禅寺湖が見えますが、露天風呂は階段を下りたところにあるので、中禅寺湖は見えません。
 空を見上げるのみ。

    

    


○ゆとりろ日光 日光市中宮祠2484 0570-018-356

 シンプレスト日光が、2022年4月24日閉館し、「ゆとりろ日光」が、2022年4月25日オープンしています。

   


○中禅寺旅籠なごみ 

 幸の湖ホテルが2016年に閉館し「旅籠なごみ」が2017/8/1オープン。
 日帰り入浴は12:00〜20:00(600円)とサイトに記載がありますが、
 源泉温度が日によって違うとのことで、源泉温度が高い時は湯を張るのに時間がかかり、
 入浴した日は特に源泉温度が高いとのことで、入浴可となったのは15:30でした。

 浴室は、別棟となります。
 内湯は白湯で、露天風呂に温泉を使用しています。
 透明なグリーンの湯でした。

    

    

    

<幸の湖>

 1876(明治9)年6月8日、明治天皇が行幸、中禅寺湖を「幸の湖(さちのうみ)」と和歌に詠まれたとのこと。
 「幸の湖荘」「幸の湖ホテル」と、幸の湖を冠した宿は、現在はなくなりました。
 
   


○日光山水

 戦前は各国大使館ご用達の「パン屋」、戦後に温泉旅館に衣替え。
 浴室は2階。内風呂「湯けむり茶屋」外風呂「湖畔の露天風呂」。
 内湯は白湯、露天風呂が温泉です。

 冬場には重宝できそうな開閉式の仕切りの扉が付いています。
 源泉高温のため、源泉投入量はちょろちょろ。
 軒先に源泉タンクがあり、温泉管と給水管のパイプがあったので、
 温度調整は、タンクに源泉と水を混合して湯口から流し込むようです。

     

     


○レイクサイド日光(旧レイクサイド佐野) 日光市中宮祠官有無番地 050-3612-4456 HP

 佐野市民保養所「レイクサイド佐野」が2016年3月末に営業終了していました。
 民間で営業再開しており、日帰り入浴可となったので利用しました。
 空いていて良かったです(終始貸切状態)。
 じゃらんポイントを利用しました。

<丸山案内図>

 丸山案内図では「レイクサイド佐野」のままとなっています。
 2枚めは、八汐荘が営業していた昔の案内図です。
 丸山での入浴は、八汐荘以来です。

   

<丸山地区入口>

 「天然温泉 日帰り温泉」の幟が出ています。

    

<レイクサイド日光>

 坂道を上ると、宿の駐車場に出ます。ここから石段を上ってレイクサイド日光の玄関です。

    

   

 宿の前からは、中禅寺湖が見えます。

   

 温泉棟は宿の右手にあります。

    

<日帰り温泉>

 大人850円 小学生400円 未就学児無料
 平日  15:00-22:00
 土日祝 10:00-22:00
 定休日 火曜・水曜

  

<館内>

 温泉は、玄関入ってフロント先の廊下を右に進みます。

     

 手前が女湯「浴室(小)」、奥が男湯「浴室(大)」です。

    

<脱衣所>

 アメニティーはフロントで売っていました。洗面所にはドライヤーが2個置いてあります。
 鍵付きロッカーはなく、脱衣籠のみとシンプルです。

  

<温泉浴用許可>

 「温泉浴用許可」は令和元(2019)年9月4日です。
 「利用源泉名」は「奥日光開発1.2.3.4.7号.森林管理署源泉混合泉」
 温泉分析書は見当たりませんでした。

    

<浴室>

 手前に真湯、奥に温泉の浴槽があります。
 温泉浴槽は、緑色がかった白濁でした。

    

 右のバルブから常時源泉が投入されています。真ん中の蛇口から加水。左のお湯の蛇口は投入なし。
 源泉を桶にとると、湯花が混じった無色透明。
 源泉投入口の対角線の切れ込みからオーバーフローしています。
 手すりがあります。

    

 真湯の浴槽は、循環口がなく、常時お湯が投入され、オーバーフローしています。燃料代がかさみそぅ。
 洗い場に、シャワーは7個あります。

   

<中禅寺湖>

 この季節は湯気がもうもうなので、窓の外にカメラを出して中禅寺湖を撮影。

  


○ホテル四季彩

 産業再生機構による業務支援会社を中心とした旅館・ホテル業再生スキームによる第1号案件でした。
 窮境の原因は、・新築移転に際する過大投資、・元経営者による経費管理の甘さ。

 浴場にはエントランスのある2階から1階に降り、1階からさらに下に伸びる廊下階段を進みます。
 階段突き当たりの暖簾をくぐるとちょっとしたスペースとなっていて、右が女湯、奥が男湯。

【内湯】
 湯舟はぬる湯でゆっくりつかれます。

 内湯の窓ガラスはキレイに掃除されており外の景色がよく見えます。
 露天風呂と中禅寺湖の眺望が展開します。
 内湯から外に出て、内風呂を見ると、ガラスがしっかり磨かれているので内湯もしっかり写ります。

【露天風呂】
 露天風呂は2つあり、手前の露天風呂は屋根付き、奥の露天風呂は屋根なし。

 3つの風呂は、全部色が違います。白濁度が一番高かったのが一番奥の露天風呂。
 内湯はそれに次ぐ。手前の露天風呂はエメラルドグリーン気味。
 内湯が一番ぬるく、次に下の露天、真ん中の露天はちょっと熱め。
 3つそれぞれ異なった浴感で楽しめました。

    
 
     

     


○日光アストリアホテル

 光徳牧場の近くの1軒宿。標高1,400m。
 午前9時半から清掃で、入浴可となるのは12時半。
 浴室までが遠いです。

【内湯】

 脱衣所からは浴室が見えます。
 奥日光では、脱衣所から浴室内が見える宿が多いです。
 従業員が視認しやすいようにしてるのかも。

 サウナは「都合により使用中止致します。」サウナ内は物置と化しています。
 硫黄泉だからメンテナンス厳しいのだと思います。
 奥日光でサウナに入れるのは森のホテルのみです。

 内湯は湯舟が2つあります。小さいほうは水風呂かと思いましたが、
 ぬるめの湯です。サウナが使えた時は、水風呂だったのでしょう。

 内湯の左手に湯口、右手に加水用の水
 湯口からの源泉の投入量は多い。
 源泉は直接湯舟に投入されるのではなく
 いったん、枠の中に貯えられ、湯舟の底から源泉は投入されています。
 加水により温度調整を行っています。
 源泉投入量が多いので、加水の量も多いです。
 オーバーフローは源泉と加水、両方まじってますから、とてつもなく多く、ザブン、サブン。
 
【露天風呂】

 「森乃精」と名付けられた露天風呂。
 屋根があるのは内湯からの出口だけです。雪だとつらいかも。
 露天風呂用のライトの他に、ライトアップ用のライトがあります。

 無色透明な湯、掃除後は、露天風呂に白湯ためて、源泉投入パターンかな(未確認)。
 たぶん夕方頃にエメラルドグリーン、夜・夜中に白濁といったところでしょう。

 湯口からの源泉は、いったん、溜められて岩の上から溢れ落ちてきます。

 景色のほうは、木々に邪魔されているものの男体山が見えます。

 露天風呂は掃除が行き届き、葉っぱひとつ落ちていません。
 清潔度は抜群です。

     

     

     

     

 ※奥日光で入浴できる東武グループの施設はアストリアホテルだけとなりました。

・日光レークサイドホテル
 2016年1月4日に、営業停止し取壊されました。
 2020年7月15日に、ザ・リッツ・カールトン日光がオープンしています。

     

     

・日光湯元ロッヂ

 宿泊・休憩・露天風呂営業は2007年に廃止しています。
 スキー場のゲレンデが目の前の露天風呂でした。

    


○(株)米屋旅館 破産

 (株)米屋旅館(日光市中宮祠2482)は2011年2月26日、破産手続きの開始決定。
 与謝野晶子・鉄幹夫婦も宿泊した歴史のある旅館でしたが、
 旅館は2004/5に取り壊され、レストランパティオだけが営業していました。
 国道120号を立木観音入口交差点を左折して風雅(現在:界日光)の先にある食事処でした。

   


【閉館・放置】
 以下閉館・放置されている旅館等にも入浴済ですが、
 面倒なので画像アップせず。気が向いたらアップするかも。
 ○ アジアンガーデン中禅寺店
 ○ ホテル日光
 ○ 日光八汐荘
 ○ 日光竜頭山の家(個人の別荘になりました)
 ○ 龍頭温泉館憩いの湯


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