○栃木で集中管理循環方式を採用しているところは、上・中塩原温泉管理事業があります。
配湯施設は、以下8カ所となります。
・金禄源泉ポンプ施設 上塩原658番地1 昭和58年3月31日 華の湯の反対側
・宮の島源泉ポンプ施設 上塩原117番地4 昭和58年3月31日 バイパス沿
・畑カッパ源泉ポンプ施設 上塩原256(湧出地239-3)
昭和58年3月31日 すっぽん料理河童玄関先
・第1配湯所 上塩原221番地3 昭和58年4月
1日 旧いさきの湯
・第3配湯所 上塩原849番地6 昭和58年4月
1日 第1配湯所から 捨湯あり
・中山配湯所 上塩原647番地30 昭和59年3月31日 捨湯あり
・第2配湯所 中塩原393 昭和58年3月31日 塩原中学校
・野刈戸配湯所 中塩原2127
平成 5年3月31日 第2配湯所から
○金禄、宮の島、畑カッパ源泉
那須塩原市が個人の源泉所有者3名から賃借し、
上・中塩原温泉管理事業により昭和58(1983)年7月から給湯を実施しています。
全ポンプ施設、配湯所が確認できたので、まとめておきます。
【金禄源泉湧出地】
金禄源泉の温泉源泉標識の掲示(文字がかすれて読めません)があります。
金録源泉湧出地です。
ここから第1配湯所及び第2配湯所に送られ、
宮の島源泉と畑カッパ源泉と混合され、集中管理されます。
【宮の島源泉湧出地】
中塩原バイパス建設に伴い、宮の島源泉が約4m盛土され、集湯ポンプ所が建替られました(平成23年)。
宮の島源泉は、第1配湯所へ向かい、
「畑カッパ源泉、宮の島源泉、金録源泉の混合泉」が集中管理源泉として使用されます。
宮の島源泉湧出地は、宮の島源泉ポンプ施設の4m下です。
ここも個人所有の源泉を那須塩原市が借り上げています。
【カッパ源泉湧出地】
Googleの検索表示で「閉業」と表示されました。
ストリートビューを見ると、2023年6月撮影とあり、店の看板が撤去されています。
また、すっぽん養殖場に書かれていた「すっぽん料理」の文字も消されています。
とちぎテレビの2023年9月2日の放映で夏バテ解消グルメとして「すっぽんン料理河童」が紹介されているので、閉店は2023年中ですかね。
以下は営業していた時の入湯記録です。
<入浴>
農作業していたご主人に、横着して、車の中から入浴を尋ねると「どうぞ〜」
すっぽん食べないで風呂だけですがと再確認も「どうぞ〜」
入浴料250円を支払い「開いているのでどうぞ〜」で湯小屋へ。
浴室は2つで、男女別はありません。左は先客あり、右の浴室に入りました。
「河童の湯」はザコザコと切れ目からお湯が流れていき、ここは鮮度抜群で極上です。
脱衣所に「畑カッパ・上塩9源泉」の分析書が掲示されています。
分析書の申請者は塩原町長で、源泉は那須塩原市が賃借により使用・管理しています。
源泉湧出地は食事処の入口脇で、湯舟へは至近距離ですが、
湯舟に直接利用されのではなく、集中管理源泉へ供給され、
戻ってきた「畑カッパ源泉、宮の島源泉、金録源泉の混合泉」を使用しています。
集中管理の混合泉の分析書は見たことがなく、分析書掲示する時は、
3つのうちのどれかの分析書を掲げることになるものと思います。
金録源泉の分析書を掲げる華の湯や湯遊センターと同じ源泉ですが、
ここの湯使いはすこぶる極上です。
<雑談>
食事処におられた女将さんに礼を述べ、雑談。
入浴は食事された方が優先ですかと聞いたところ、そんなことはないですとのこと。
250円で素晴らしい温泉に入れるのを多くの人が知ると混んで大変ですねと言うと
そんなことはないです、すいていますとのことで、河童のパンフレットを頂きました。
源泉について確認すると、よくご存知ですね、そうなんですよ、
源泉持っている3人に塩原町からお願いがあって。
そこに見える青い小屋がカッパ源泉なんですよと教えていただきました。
店の玄関の近くで湧出とは盲点で、教えてもらわなければ道具小屋と思っていました。
カッパ源泉への思いを感じました。
福渡の玉屋は町のためにとスケート場として土地を提供したと聞きましたし、
塩原温泉の方々は、町のためにとの意識が強いのを感じます。
すっぽんを食べなくても入浴はできますが(ご主人と女将さんに確認)、
小さな風呂なので、人が多いと入浴は物理的に無理です。
車の駐車具合を見て、空いていれば、入浴のみでも受けてもらえるでしょう。
塩原の食事処で温泉に入れるのは、いけなみ閉店、鹿角閉店で、河童だけとなりました。
<感想>
河童は、ぬるめのザコザコ掛け流しが、地民・地民外の区別なく250円だなんて、
経営者の懐の深さに感心します。
上塩原の「たちばな家」で入浴した時には、
見たいなら鍵貸しますよと、宿の裏手「引久保百観音堂」の鍵を貸していただき感激しました。
上塩原は、平貞能と妙雲禅尼の平家一行が妙雲寺の場所へ移る前に潜んでいたところ。
また、源氏の伝説もあります。
大昔からの、住民の方々の懐の深い対応が根付いているように思います。
取り壊された「いさきの湯」があった場所です。
貯湯槽2基は塗り替えられて現在は焦げ茶色です。
第1貯湯槽に「宮の島源泉、畑かっぱ源泉」「金録源泉」「第3配湯所からの戻り」パイプが繋がっています。
金録源泉単独ではなく、3源泉まぜて配湯され集中管理されます。
調べてみると平成17年度那須塩原市議会議事録がヒットし、
「那須塩原市の温泉事業は市営温泉事業と上中塩原集中管理事業を実施しており。
市営温泉事業は市有源泉8か所から旅館、ホテル等22軒に給湯。
上中塩原集中管理事業は個人源泉所有者3名から賃借し、配湯施設8か所から220軒に給湯。
通産省の補助を受け昭和58年7月から給湯開始。」
ということがわかりました。
塗り替え前の第1配湯所。左手の空いているスペースがいさきの湯があったところ。
金禄、宮の島、畑カッパ源泉が送湯され集中管理されます。
第1配湯所から集中管理の混合泉が送湯されてきます。
オーバーフローの捨湯があります。
熱いです。
側溝沿に湯煙がたちのぼっています。
オーバーフローの捨湯があります。
熱いです。
平成5年に設けられた一番新しい配湯所です。
第2配湯所から集中管理の混合泉が送湯されてきます。
遊湯センターに送湯されています。
別荘地は、引き湯距離が長ければ魚骨方式、短ければ集中管理循環と思います。
ひとつだけ紹介します。
上塩原の、塩原第二自然郷で使用している源泉「第二自然郷1号泉」です。
自然郷の入り口管理棟の横には、「塩原第二自然郷源泉」の分析書の看板が出ています。
管理事務所前で、源泉垂れ流しになっています。熱くて湯溜に足もいれられません。
<ホテルフォレスタ> 上塩原
塩原第二自然郷の中にある会員制リゾートクラブのホテル、塩原パウエルが震災後閉館となり、
ペットと泊まれるホテルとしてホテルフォレスタがオープンしています。
日帰り入浴は受けていないと思います。
塩原パウエルの時に、湯巡り手形に登場した際に入浴しました。
内湯、露天ともかけ流し。