Discover 栃木 温泉文化遺産(温泉文化史)

 大田原市の温泉

  栃木県の市町村の入湯税の収入が多い順に見ると、
  日光市、那須町、那須塩原市、さくら市、宇都宮市、大田原市と続きます。
  ということで、大田原市の温泉もはずせないので、まとめておきます。

 【温泉】
  ○ パインズ温泉ホテル大田原
  ○ 大田原温泉 太陽の湯
  ○ 那須野ヶ原温泉 ホテルアオキ
  ○ 那須野ケ原ベルビューホテル
  ○ 佐久山温泉 きみのゆ
  ○ 与一温泉
  ○ 黒羽温泉 五峰の湯
  ○ 湯津上温泉 やすらぎの湯
  ○ 健良の湯

 【大田原市の旧蹟】
  ○ 上石上温泉神社
  ○ 大田原金燈籠
  ○ 白鳥飛来地
  ○ 川の中の鳥居
  ○ 那須国造碑



パインズ温泉ホテル大田原  

 小さな内湯と250tプールに源泉「癒しの湯温泉」を使用。
 影響を与える事項「加温、循環ろ過、塩素」。浴槽の両端からオーバーフロー。
 掛け流しではないですが、オーバーフローもあり、悪くはないです。

 入浴だとプールは利用できませんが、プールは温泉で満たされています。
 側溝から溢れ出た温泉は、循環せず捨てているとの掲示(循環ろ過、加水・加温なし、塩素あり)。

 栃木でプールに温泉を使用しているのは、
 パインズ温泉ホテル大田原、塩原あかつきの湯、塩原温泉病院、サンバレー、北温泉旅館、一心舘、
 八丁の湯、ブランベール那須(クアハウス)、ザ・グランドスパ南大門(温水プーロ)です。

  ※パインズ温泉ホテル大田原は、日本健康産業が買い取り、岩盤浴セラピアも運営していました。
   日本健康産業は破産し、くろばねスプリングス、岩盤浴セラピアは閉店、本社の乃木温泉ホテルは売却。
   別会社だった、パインズ日光ゴルフ倶楽部(日光石亭温泉ホテル)も閉鎖。 
   ここは新会社「株式会社パインズ」を設立し、運営しています。

    

     



○大田原温泉 太陽の湯

 立派な飲泉所があります。龍の口から「大田原温泉太陽の湯」が出ています。
 安くなる水曜利用で、混んでおり、画像ほとんどなし。

     



○那須野ヶ原温泉 ホテルアオキ

 ホテル入り口ではなく日帰り専用の入り口が横にあります。
 ホテルのほうの入り口には招き猫ではなく招き七福神の2像がお出迎え。
 ご縁日(5日、15日、25日)は、入浴料が400円となります。
 ご縁日に行けば混むけど内湯、サウナ、露天、飲泉所があるかけ流しの
 コストパフォーマンスの良い温泉です。

 源泉名「那須野ヶ原温泉」
 アルカリ性単純温泉、炭酸水素イオンは与一温泉に比べるとそれほどでもないですが
 ぬるすべ感があります。
 自家源泉かけ流し、影響を与える事項の掲示はありません。

 内湯には、大浴場、泡風呂、サウナ、水風呂があります。
 女湯のほうはさらに寝湯があり、サウナは露天風呂の横、外にあるようです。
 カランは10コ横に連なっていますが、間隔がめちゃ狭いです。
 カラン廻りがなんか競技用の自転車のハンドルのごとく幅狭です。
 ジャグジーはお湯の鮮度がいまいちなんであまり好きではありませんが、
 ホテルアオキのジャグジーは、源泉投入量が多い割に湯舟が小さいから、
 大きな内湯、露天風呂より湯の鮮度が良いです。
 ジャグジーが一番湯温が低いので(湯口の湯は熱いけど、空気冷たいから湯が冷やされる?)
 時々湯口の湯を桶にすくってしばらく放置して冷ましては頭からかぶり硫黄臭を堪能します。

 露天風呂に飲泉所があり、壁にコップが置かれています。
 保健所の飲泉許可書も出ています。
 手に受けると熱いですが飲むにはちょうどよい温度で意外に飲みやすい。
 太陽の湯の飲泉所と同じようなのどごし。
 与一温泉のほうがさっぱりしています。
 飲泉許可書「フッ素を含有する温泉なので、乳幼児(6歳以下の者)の飲用を避けること。」

 露天風呂は、板で遮られているので外の風景はわかりません、露天風呂の回りは庭園になっています。
 湯口の投入量は多いです。

  ※平成19年11月の改装(古いことなのでどうでも良いですが)
   新しいコインロッカーが置かれ100円ノーリターンからリターン式になりました。
   みなさん、脱衣かご代わりに使用してるので、キーがささったまま。
   以前の透明ロッカーだと中が見えるけど、今回のロッカーは中が見えないので
   どのロッカーが空いてるのか当てるのにひと苦労します。

   内湯は露天風呂への入り口が地続きになりました。
   十和田石の床です。色が真新しいので目立ちます。
   6個半分の十和田石が敷かれ、その分内湯が狭くなりました。
   内湯の湯口が移動して柱の後ろの壁に場所が変わりました。

   平成19年3月31日から営業時間が22時までが、30分短縮の21時30分までとなりました(受付21時までは変わらず)。

     

     

     

    



那須野ケ原ベルビューホテル

 将棋のタイトル戦が行われたゴルフ場のホテルです。

 平成17年4月1日より、入浴料1,000円から500円と料金変更となり(現在550円→600円)、
 26日は風呂の日で半額で入浴できたのでよく行きました(今は割引ないでしょう)。
 タオル類は有料、かみそりはフロントで販売、具備はされていません。回数券もあります。
 
  ハイソな雰囲気といい、お湯もよく満足できます。
 利用時間16時からですが準備ができていれば、その前から利用できます。

 源泉名「那須野ケ原源泉1号」の内湯、露天とも高張泉の掛け流し。
 よく壊れて白湯の時もあります。
 「露天風呂は温泉の湧出量を計りながらの営業となりますのでご承知おき下さい。」
 露天風呂は、営業してない時もあります。

 「気温の高い期間のみ加水しています。」非循環・非塩素添加です。
 内風呂は2つあり、サウナもあり。
 2つのうちひとつは、温泉ではなく、もうひとつは強烈な高張泉です。
 湯口の横には白い堆積があります、舐めてみると塩辛い。強烈なお湯です。
 湯温はかなり熱く手にすくって味見しようとしたら熱っちっちです。

 壁のタイル絵ですがサインがあります。

    

    

    

    



○佐久山温泉 きみのゆ

 佐久山は、きみのゆと与一温泉と、良い日帰り温泉が2つあります。
 ここは10時オープンですが、待つ人多いので9時50分ぐらいにはオープンします。
 野菜やそば、うどんなど盛りだくさんで売られています。

 源泉名「佐久山温泉きみのゆ」。
 泉質は「弱アルカリ性等張性高温泉」。
 知覚的試験「黒褐色に混濁し、硫化水素臭と塩味を有する。」
 ポイントカードにも「黒褐色にごり湯」と記載してあります。
 下野新聞の広告等でも「黒褐色にごり湯」と必ず記載しています。
 黒褐色には混濁しておらず、黄色みがかった透明な湯です。
 時間の経過とともに混濁するのかと思いもしたけど遅い時間でも透明。
 毎日入れ替えているとのことで朝一に行くと、朝でも晩でも同じ黄色みがかった透明な湯。
 「かけ流し」で投湯量も豊かだから不満はないけど。

 かけ流しで「気温の低い冬季のみ、入浴に適した温度にするため2℃前後過熱しています」のみ。

 撮影禁止の掲示出ているし、混んでいるし、浴室内の写真はなし。
 パンフレットの写真を撮りました。
 広い内湯と電気風呂、ジェットバス、足湯と多彩です。
 夜は特に混むのでカランは待ちの人が出ます。

 露天風呂は、高圧線の鉄塔が目に入り目立ちます。
 貸切の小浴場が2つあります。

     

    



与一温泉

 震災で大きな被害を受け、建物は倒壊はしませんでしたが全壊判定で見た目かなり損壊していました。
 脱衣所の屋根はブルーシートに覆われ屋根もやられていました。
 露天風呂は竹林の中ですし、改築したばかりで、見た目は損壊していないような印象でした。
 どうなることかと思っていましたが、日帰り温泉のみで再開しました。
 震災前は、宿泊もやっていて、「日本源泉湯宿を守る会」の会員でした。

    

 一番下の駐車場の手前には、「わかばの里」アトピー専用施設があります。
 「わかばの里」の近くに温泉スタンドがあります。
 震災後は温泉スタンドのみ営業していましたが、高いと思うけど多くの人が買い来ていました。
 以前、聞いたら
 「飲みなさいよ〜ホントにいいから、血がきれいになるから。
 私なんか毎日飲んでる〜。」等々、色々と説明を受け、ご自慢の湯です。
 下の駐車場の近くの草むらにはなぜか「パンダ」がいます。

 与一温泉の由来の看板が玄関脇にあります。
 「昭和63年2月8日 白鳩の中川幸美先生による
 土地のお浄めの際 神様から東南角地に「地の神」を
 祀りなさいとの御神示(お告げ)を頂き
 掘り当てた温泉です 平成4年4月 主人」

 「温泉掘削(増堀・動力装置)許可地板」が残されています。

     

     

    

 自動券売機でチケットを買うと半券を返してくれます。
 半券を10枚集めると入浴無料となります。

 1年ごとに男湯と女湯の入れ替えがあり1月に入れ替えです。

 源泉名「与一温泉」自家源泉のかけ流しで、影響を与える事項の掲示はありません。
 湯口にはコップが置かれています。
 ぬるすべ感充分な浴感です。
 内湯はサウナはありませんが小さな水風呂があります。
 
 露天風呂に行くには、内湯の中を通って行きます。内湯と露天風呂をつなぐドアがあります。
 ドアを開けて外に出ます。
 岩風呂の露天風呂は内湯に比べるとぬるめです。長湯するにはちょうどいい湯具合です。

 半割の竹から打たせ湯のように源泉が投入されています。
 湯口が半割の竹のほかに、湯底のあちこちにも湯口があり、まんべんなく源泉が投入されています。
 オーバーフローは計2カ所あります。

 2007年に露天風呂の改修があり、改修前は、露天風呂が縦列配置(内湯の手前と奥)が、
 改修で横列配置(内湯のそれぞれの外)となりました。屋根がつきました。

 佐久山にはラモスさん、きみのゆと与一温泉にそれぞれ来ています。よく来ていましたが最近はどうだか。

    

     



黒羽温泉 五峰の湯

 加温、循環、塩素ですが、おぉ!というぐらいヌルスベです。
 露天風呂は深いです。露天からの五峰の景観が良い。まぁ混んでいます。
 温泉スタンドは塩素消毒あり。

 当初の源泉は枯渇したのか、2004年4月20日より第2源泉を使用、

    

 最新入湯記録はこちら(2019/6/15)



湯津上温泉 やすらぎの湯 

 旧湯津上村の佐良土地区は、各家屋に屋号で看板がでておりタイムスリップした気分になり、雰囲気が好きです。

 「湯けむりふれあいの丘」に「やすらぎの湯」や「レストラン牧場」(現在:湯津上村民食堂)があります。
 牧歌的光景が拡がっています。

 震災後、201312/10再開しましたが、大露天風呂天狗の湯は閉鎖です。

 内湯、露天風呂→気温が高い時は加水、循環ろ過、塩素。無色透明。

 閉鎖した大露天風呂は岩風呂で大きな天狗の湯口。
 塩素消毒はありますが、循環ろ過なし、黄緑色に濁っていて、泉質優良でした。
 循環ろ過の威力はすごいなぁと実感したものです。
 公共施設で、女性専用時間帯が設けられているものの混浴だったのが珍しかったです。

     

     

     

 最新入湯記録はこちら(2019/6/15)



【大田原市上石上】
健良の湯 大田原市上石上字東山2056番3

 2021年6月21日、温泉審議会で動力許可が出た申請地です。
 広大な空き地です。
 源泉名「健良の湯」(単純温泉)

 答申意見には、
 「本件は、大田原市上石上字東山2056番3の源泉「健良の湯」に動力装置を設置して、
  宿泊施設及び日帰り温泉施設利用者の浴用に供するものであり、
  特に支障ないと判断されるため、許可答申とする。」
 とありました。

    

   



○大田原市の旧蹟

 大田原市は、那須与一関連、奥の細道関連で見所いっぱいです。
 記述済なので、その他若干の補足です。



上石上温泉神社 大田原市上石上1555-2

 上石上の温泉神社に寄りました。
 

<城鍬舞>

 温泉神社に奉納される城鍬舞が大田原市の文化財に指定されています。

(説明板)
「栃木県指定無形民俗文化財 昭和52年7月29日指定
 城鍬舞  城鍬舞保存会
 天文14年(1545)大田原資清は、大田原城を築いた。この築城には付近六か村の農民が工役した。城が完成すると資清は、彼らの労をねげらうために酒宴をもうけた。この時、石神村(現大田原市上石上)の農夫で藤兵衛という者が、酔いに乗じて手にした鋤鍬を持って舞い出した。周りの者も鍬を叩いてこれを囃したてた。これが資清の興味を引き、以来吉例として毎年正月に藤兵衛らを城中に召し、これを演じさせた。当初は一定の方式もなかったが、次第に無踊化し伝承され今日の姿となった。
 城鍬舞は、形振(扇取)1名、横笛4〜5名、鍬叩き12名(少女)、太鼓打2名、旗持1名で構成される。
 毎年、温泉神社の秋の例祭時(10月第2日曜日)に奉納される。」

   
 

<石鳥居/参道>

     
 

<温泉神社経営之碑>

 温泉神社の由来が記されています。大正7年9月建碑。

   
 

<温泉神社碑>

 寄進者のお名前が記銘されています。台石が大きな碑です。大正11年10月建碑。

   
 

<不明>

  
 

<水盤>

  
 

<庚申塔>

    
 

<熊野山>

  
 

<大黒天像>

   
 

<狛犬>

 大正11年7月建立。

     
 

<拝殿/本殿>

   

    



大田原金燈籠 大田原市中央1-1

 金燈籠ポケットパークが2011年10月に完成しています。
 夜は金燈籠が点灯、キレイです。
 5カ所のLEDでライトアップもされています。

   

    
 

 <経緯>

  文政2年(1819)大田原宿の有志により上町十字路に建てらたもの。
  初代金灯籠は、戦時に金属回収で供出となりました。
  二代目は三斗小屋宿の2基の金燈籠を1基にまとめ修復し昭和30年設置、昭和53年返却。
  (三斗小屋宿に金燈籠とレプリカの石燈籠があります。)
  三代目となる現在の金燈籠は、1974(昭和54)年に地元商店街有志により初代を再現・設置。
  以下は仮設置されていた時の「金燈籠」。

      
 

 <几号水準点>

  金燈籠の裏、台石に几号水準点が刻されています。

     



白鳥飛来地 大田原市藤沢98-13

 <白鳥飛来地【琵琶池】>

  白鳥というより鴨の群が圧巻。

    
 

 <白鳥飛来地【羽田沼(はんだぬま)】>

  白鳥も鴨も餌付けされ全く逃げようとしません。
  特に鴨は足もとから動じません。

     



川の中の鳥居(光丸山法輪寺一の鳥居) 大田原市佐良土

 御行川(岩川)をまたぎ立つ鳥居。奥の院に向かって二の鳥居・三の鳥居と続きます。
 この鳥居をくぐるには川に入らなければならないという鳥居です。
 信徒は水垢離をとり、六根清浄のうえ奥の院に参詣しました。

   



那須国造碑 大田原市湯津上430
 
 日本三古碑の一つで、国宝に指定されている碑です。

    
 
 

 「東京近郊一日の行楽 湯津上の古碑」(田山花袋)

  田山花袋もわざわざ訪れています。

   


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