Discover 栃木 温泉文化遺産(温泉文化史)
 

 奥日光開発株式会社の源泉使用宿
 
  7号源泉の単独使用以外について、見ていきます。

  「3、4号」→「3、4、7号森林管理署源泉混合泉」
        →「1、2、3、4、7号森林管理署混合泉」
  ※台風の被害で、現在は左記から右記の湯づかいとなっています。



【湯の湖荘】

 立松和平さんが愛用された宿です。

 換気扇が2台フル稼働で、浴室内は湯気がありません。
 湯元で入った温泉で、一番換気が良いです。
 
 湯の湖荘は湯舟がとっても小さく(若葉荘も小さいですが)、
 お湯が緑色がかっていて新鮮で良い。

 お湯が新鮮だったと女将さんに感想を述べると
 「そうでしょ、うちは毎日お湯抜いてますから。
  掛け流しだからとお湯を抜かないところと違います!」ととても嬉しそうでした。
 またどうぞとのことでした。

    

    



【若葉荘】

 客室6室の小さな民宿。
 湯の平湿原から若葉荘を見ると、玄関の間口は狭いのですが、
 奥行きは隣りのゆの香と同じで、かなりあります。

 ステンレスの流し台もレトロ。

 湯の湖荘も小さな内湯ですが、ここも内湯のみの小さな湯舟。
 天井の横が窓がなく空と繋がっているので、露天風呂のように空気はすがすがしい。

    

    



【あんよの湯】

 冬は閉鎖されますが、雪の埋もれ具合がすさまじいです。

    

      



○湯守 釜屋旅館

 「奥日光開発3、4、7号森林管理署源泉混合泉」パターンで源泉使用。
 以前の「釜屋1、2号」「共同源泉」使用から、変更されています。

 日光湯元で代々湯守を務めてきた歴史ある旅館ながら窮境に陥り、
 産業再生機構の支援により再生した旅館です。

 産業再生機構の分析では、
 ・過剰な設備投資 ・修学旅行客の減少 ・営業力及びサービスレベルの低さ
 を指摘されていました。

 再生計画では
 「対象事業者は、代表者一族が奥日光湯元温泉で、代々湯守を務めてきた歴史
  ある旅館であり、豊富な湯量、特徴のある「乳白色の硫黄泉」の泉質や、恵まれた
  自然環境等の強みを有しており、今後、大型露天風呂の新設による一般宿泊・日帰り客の集客を
  図るとともに、・・・」とありました。

 「地域への波及効果が狙える象徴的な計画だったが、地域との共存共栄や地域活性化を考慮すると、
  他旅館の客を奪う可能性などマイナス面が浮かび上がった」(下野新聞)

 結局、地区のランドマーク的存在となる大型露天風呂建設の当初の事業計画は見送られ、
 こじんまりとした露天風呂「緞子の湯」ができました。

 一方で、お庭の露天風呂が更地、池もなくなりました。残念。

 老朽化の激しい社員寮(板屋から購入した楽山荘)は取り壊し、
 別館は社員寮へ転用のため、玄関は本館にあります。

 新しい看板の横の古木が、取り壊された木造の本館だった当時を偲ばせます。
 本館は平成2年10月に総工費15億円をかけて建てられました。
 本館、愛山荘、ガーデンハウスの3館体制となっています。

 本館に「瑠璃風呂」「緞子の湯」、愛山荘に「薬師の湯」、ガーデンハウスに内湯。
 本館の中庭にあった混浴露天風呂「滝の湯」は、「緞子の湯」が設置され、取り壊されました。
 緞子の湯が設けられる前は、日帰りでもガーデンハウスを含め、すべて利用できましたが、
 現在は、日帰りで利用できるのは、「瑠璃の湯」「緞子の湯」となります。

    

 楽山荘は取り壊し、建物が現存していた時に撮った表札
   
 

 <別館が解体・撤去>2020年夏

 社員寮に転用された昭和41年建築の別館が解体・撤去を終えたばかりでした。
 かなりすっきりしました。左別館撤去後、右取り壊された別館。

   
 

【瑠璃の湯(内湯)】

 「瑠璃の湯」「緞子の湯」は、本館フロント近くにあります。
 「瑠璃風呂の由来」(昭和54年8月)
 『当、日光湯元温泉は、今より千二百年前の延暦七年に、
 勝道上人が二荒山登頂日光開山の時に発見したと伝えられる。
 その時、温泉の湧く背後の山を温泉ケ岳(ユゼンガダケ)と名付け
 頂上に薬師瑠璃光如来を祠り、温泉を薬師湯又は瑠璃湯と命名されました。
 後年、当館の先祖は湯守(ユモリ)として此の地に住み、代々その業を継いで現在に至りました。・・・』

 浴室に一歩足を入れると、壁一面はひのきの板となっていて、檜のいい匂いが香ってきます。
 大きい浴槽と小さい浴槽が、コの字型の浴槽。

 瑠璃の湯は薬師の湯より湯船が小さく、鮮度良く感じます。

     
 

【緞子の湯(露天風呂)】

 新しく設けられた露天風呂。瑠璃の湯にかかる板から露天に出ます。
 硫黄の析出に足跡をつけてみました。
 景観は望めない露天の景色です。

   

    
 

【薬師の湯】

 薬師の湯は三角形の内風呂です。
 三角形の湯船の横には、水風呂とまではいかないですが冷ための硫黄泉の小さな浴槽があります。
 隣の三角形の湯船と湯中で小さな丸穴で繋がっています。

 湯口の湯は無色透明で、洗面器に溜めると透明な新鮮な湯です。

 浴槽全体からオーバーフローしていきます。
 掃除がよくされてるので硫黄の堆積はほとんどないです。

    

   
 

【釜屋ガーデンハウス】

 小さな内湯。極上の湯でした。
 入湯時は「釜屋1、2号・共同源泉・奥日光開発3号混合泉」を使用していましたが、
 現在は、「奥日光開発3、4、7号森林管理署源泉混合泉」と思います。

    

     



○ホテル山月

 日帰り施設「ゆ処山月五識の湯」がありますが、こちらは、ホテルのほうの浴室です。
 かなりこじんまりとした内湯です。
 照明は、腐食を避けるためでしょう、外から照らしています。なるほどと感心します。
 家族風呂は小さいので、透明です。
 
     

     

     



○紫雲荘

 日帰り入浴は受けていませんが、
 栃木県デスティネーションキャンペーン「湯めぐり手形」で日帰り入浴可です。

 ここも「野州二荒山温泉図」を掲げています。
 脱衣所、浴室とも小さく、脱衣所はスノコを敷いているのがなんか家庭的。

 湯口の析出物がモコモコで成長ぶりがすごい。

 窓の外は、あんよの湯が目の前。

 浴室内照明はなく、浴室外からの照明で明かりを採っています。
 ホテル山月も同じ採光方式で、源泉の力強さを感じます。

 日帰りだと利用できませんが、露天風呂「月あかり」があります。

     

     

     

     



○奥日光 やまみず樹

 湯元ヒルサイド・インが2017/10/31に閉館し、奥日光やまみず樹となりました。
 電話番号が変わり、オーナー変更です。

    
 



○松屋ホテル

 閉館して久しく1階部分がだんだん廃墟となりつつありますが、解体されていません。
 2階に人が住んでおられますね。

  


源泉 湯の香

ゆ処山月五識の湯


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