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 温泉考

  ○ 温泉コレクター
  ○ 旧蹟
  ○ 温泉地の魅力
  ○ 入湯税
  ○ 配湯方式 
     ・集中管理循環方式の例
       上・中塩原温泉管理事業
       塩原第二自然郷
       日光市温泉給湯に関する条例
     ・集中管理魚骨方式の例
       奥日光開発株式会社
     ・貯湯ローリー方式の例
       日光和の代温泉
  ○ 源泉かけ流し
  ○ 温泉マニア


温泉コレクター】ーインターネット時代のコレクションー

 <体験のコレクション>

  コレクター(収集家)は、特定の物を集めるというのが概念ですが、
  物ではなく体験を集めるのもコレクションです。

  温泉コレクション、グルメコレクション、登山コレクション、海外旅行コレクション、
  鉄道コレクション等色々あります。
  体で体験するのが温泉、登山、海外旅行。。。、胃袋で体験するのがグルメ。
  鉄道などは体験、収集共有型と言えましょう。

 <体験コレクションの価値>

  これらの体験は、画像に体験情報を加え、ネット上でひとつのコレクションとして完成します。
  物のコレクション場合は、古い物や希少価値のあるものが好まれますが、
  体験型コレクションの場合は、いわば情報を収集する面が強く、
  情報という視点からは、コレクションは新しいものほど価値があります。

  温泉コレクションで言えば、露天風呂ができていた、改装した、湯づかいが変わったなどなど。
  同じコレクションであっても、その価値はコレクター個々人の経験値や力量等により異なってきます。
  コレクションの価値は、付加価値情報があればあるほど、その価値はあがります。
  温泉でいえば、コレクションの元は体験記ですが、それに画像が加わるとさらに価値が増します。
  さらに専門的な分析が加わるとさらに価値が増します。

  1000湯入湯!とか100名山完登!など、まさに立派なコレクションですね。
  インターネットとデジカメ、スマートフォンの一般化で、コレクターの概念も大きく変わってきています。

 <温泉好きだった歴史上の人物>
  源頼朝 豊臣秀吉 与謝野晶子 田山花袋。
  さて、どの時代も温泉コレクターは存在するものです。
  その代表として与謝野晶子をあげます。温泉を巡っては、俳句としてレポしていたわけです。
  立派なコレクターです。
  田山花袋もコレクターです。温泉を巡っては体験記を数多く残しています。
  もうひとり、源頼朝をあげましょう。御所の湯という名称を記録として残しました。
  御所さまは、巻狩の際には温泉に入り「御所の湯」を那須湯元や塩原湯元に残しています。
  温泉好きの豊臣秀吉は、塩原元湯に入湯しています。


旧蹟考】

 観光ポイントとして力が入れられている旧蹟は、駐車場が整備され、看板が設置され、PRされています。
 観光ポイントの選定からもれた旧蹟は、忘却の彼方へ。
 ネットで検索してもヒットしないものも多いのが実状です。
 旧蹟の著名度は、駐車場があるかないか看板があるかないかに左右されます。

 明治、大正時代の温泉・旧蹟の紹介本は、旧蹟が一様に並べられ、
 温泉地は源泉の分析まで詳細に述べられていて興味深いです。

 温泉巡りと併せて、旧蹟を巡ることで、
 源泉名や湯舟名に歴史の経緯が込められているのがわかったり、感慨深さが増します。
 温泉めぐりに併せて、旧蹟を巡った考察の記録をまとめました。


温泉地の魅力考】

 魅力ある温泉の要素を考えてみます。

 <温泉(源泉の素性、自然環境、温泉情緒)>
  温泉そのものの魅力が第一の要素。
  源泉そのものが魅力あること、自然環境にあるロケーション、温泉情緒です。
  屋上展望風呂だと、わざわざポンプアップして、温泉は本来地中で空気に触れないのに。
  塩原新湯のむじなの湯は、自然湧出の岩をそのまま湯舟にしているので、空気に触れず源泉が新鮮。
  昔は動力なく自然流下なので、浴室のロケーションが低いところにある温泉は良いですね。
  川縁にある湯舟は、増水で流されるので、維持管理が大変そうですけれども。 

 <歴史文化(名勝・旧蹟)>
  温泉に歴史の経緯が込められていると温泉情緒が増します。
  昔からの温泉地は信仰も篤く、神社仏閣、名勝・旧蹟も歴史があり魅力のひとつです。
 
 <ホスピタリティー(情性への刺激)>
  浴室における入浴客への細かい配慮や、温泉へのこだわり対応、
  宿の客に対するホスピタリティーの姿勢が情性を刺激します。
  上栗山開運の湯は、ホスピタリティーの頂点と思います。
  玄関の靴に帰る時に靴べらが入れてあったりと何気ない気遣いは塩原温泉が豊か。

 <徒歩による楽しみのある街(←囲い込み完結型)>
  囲い込み完結型の巨大温泉旅館の多い温泉地より、外に出て楽しみのある温泉地は活気があります。
  足湯、飲泉所、外湯、イベント、地元の旨いもの、名勝・旧蹟等々。

 <旅館の活気>
  blogで情報発信している旅館が多い温泉地は魅力があります。
  素材が多くないと情報発信できませんから。
  同じ素材が材料でも旅館ごとに個性が表れ、貴重な情報です。
  旅館の会議が多い温泉地は、まとまりがあってイベントが充実しています。

 <地域密着>
  ジモ専のある温泉地は、温泉が地域に根付いていて魅力を感じます。
  外湯がある温泉地は、地元民の温泉自慢を聞くことで温泉情緒が増します。


入湯税考】

<入湯税とは>

 「入湯税については、鉱泉所在市町村のみに課税され、かつ、一般的には当該市町村の
 観光施設整備等のため特別の財政需要(標準的経費でないもの)に充てられるものである
 ことから、普通交付税上は基準財政収入額に算入していない。」(総務省)

 温泉地を抱える市町村は、温泉地を抱えるがゆえの、地方交付税で交付されない
 特別の財政需要に対応するために入湯税で対応することとなっています。

 温泉旅館が密集して消防の需要も高いかもしれません。
 源泉の保護・管理も必要でしょう。
 宿泊客が集まるから、ゴミ収集も費用がかさむでしょう。
 温泉地での観光対策も必要でしょう。

 入湯税の使途は、地方交付税で交付されないこれらの費用に、使用目的が限定されています。
 入湯税は、利用した温泉施設や温泉地の維持管理・活性化、温泉地の環境保護などに使用されます。

 法律ができた時は、市街地の日帰り温泉施設は想定していなかったでしょうが、
 最近になって、総務省の取扱通知に「宿泊者であると否とを問わず」が加わりました。

 栃木県で入湯税収入が多いのは、
 日光市で3億6千万円(平成27年度)で、那須町、那須塩原市、さくら市、宇都宮市と続きます。
 鉱泉を有するものの、入湯税を予算化していない市町もあります(足利市、佐野市、塩谷町)。

 (参考)
  さくら市  宿泊150円 日帰り70円 市有施設 免除
  日光市、那須町、那須塩原市、大田原市、高根沢町、宇都宮市、真岡市、栃木市等
        宿泊150円 日帰り50円
  那須烏山市 宿泊130円 日帰り50円
  市貝町           一律50円

  (参考)
  大分県別府市 入湯税 
  6000円以下等は50円〜150円
  6001円以上 250円〜500円
 

<都道府県、市町村別の入湯税状況>
 総務省のHP(決算カード)で、都道府県、市町村別の入湯税がわかります。
 

<課税免税措置>

 課税免除措置で、公営温泉に入湯する場合課税免除としている市町村も多いようですが、
 民間施設に入湯した場合だけ入湯税を徴収するのは、
 税金の使い道として法律の趣旨に添っているのか疑問に思います。

 さて、古河市古河老人福祉センターが平成20年7月から大幅料金改定があり、
 市外利用者は700円が300円。市内利用者は70歳以上は無料に、60歳以上は200円に、他300円。
 あさひ温泉は入湯税150円加算されて600円ですから高齢者のみなさん当然こちらに来ますよね。
 あさひ温泉は閉館しました。
 日常生活に温泉が密着している市町村では、施設で割り引くのではなく利用補助券を高齢者に配布したり、
 民間、公立の差なく、高齢者がまんべんなく足を向けるようにしていると思います。
 

<課税範囲はどこまで?>

 入湯税が規定された時には、以下の例は想定されていなかったと思います。
 ここまで課税する必要はないと思いますが、通知では整理はされていません。 

 足湯
 →血液は体中に循環するので、足湯で足だけ湯につかっても、血液が循環し、全身浴と同じ効果があります。
  法律作った時は、足湯なんか想定していなかったでしょうが、足湯にも入湯税かかるのかな?
  足湯も自治体で宿泊施設や日帰り施設と同様に浴用許可だしているし、
  入湯税かけておかしくないですね。

 温泉プール
 →免税となる公衆浴場じゃないし、プールでも浴用許可出しているから
  入湯税かけておかしくないですね。

 温泉スタンド、温泉販売
 →入浴を目的としているのですから、入湯税かけておかしくないですね。
  購入量に応じて、家族人数分の見当で、徴収してもおかしくないですね。

 ローリー湯
 →送湯パイプが、車に形を変えただけなので、入湯税かけておかしくないですね。
  入湯税の使用目的から、浴場設置市町村で徴収するのではなく、
  源泉所在の市町村で徴収すべきと思います。

 飲泉所
 →入浴ではないので入湯税払わなくて良いかな。
  でも、保健所が飲用許可だしていて、飲用許可だすためには費用はかかっているので
  入湯税かけてもおかしくないですね。

 野湯
 →入湯した方は、自治体に入湯税を払っておかしくないですね。
  湯沢野湯群では下流にブルーシートが散乱しているので、
  清掃費に充てたり、遊歩道の修繕に、入湯税徴収箱を設けて入湯税徴収してもおかしくないですね。

 温泉権付住宅
 →公衆浴場と同様に考えると免税でしょう。でも別荘は課税でしょうね。
  150円×1家族4人と想定し、1日600円徴収してもおかしくないですね。

 湯の花販売
 →浴槽へ入れての入浴が目的で温泉入浴の効果をうたうのですから、
  湯の花に入湯税を1世帯分上乗せして課税して販売しておかしくないですね。

 温泉化粧水
 →入浴が目的ではないので、入湯税はかからないでしょう。
  温泉入浴の効果をうたうのであれば、温泉入浴と同様に入湯税かけておかしくないですね。

 温泉饅頭
 →温泉は使用していないので、入湯税はかけられませんね。


(参考)「地方税法の施行に関する取扱について(市町村税関係)」
     (平成22年4月1日総税市第16号)」(第9章中入湯税に関する事項を抜粋)

 2 入湯税に関する事項
  (1) 鉱泉浴場所在の市町村は、環境衛生施設、鉱泉源の保護管理施設及び消防施設そ
    の他消防活動に必要な施設の整備並びに観光の振興(観光施設の整備を含む。)に
    要する費用に充てるため、入湯税を課するものであること。(法701)
  (2) 鉱泉浴場とは、原則として温泉法にいう温泉を利用する浴場をいうものであるが、
    同法の温泉に類するもので鉱泉と認められるものを利用する浴場等社会通念上鉱泉
    浴場として認識されるものも含まれるものであること。
  (3) 入湯税は、旅館、料理屋のいずれであるとを問わず、また、宿泊者であると否と
    を問わず、温泉及び鉱泉の入湯客に対して課するものであること。
  (4) 入湯税は、環境衛生施設、鉱泉源の保護管理施設及び消防施設その他消防活動に
    必要な施設の整備並びに観光の振興(観光施設の整備を含む。)に要する費用に充
    てるものであることを明らかにする必要があるので、特別会計を設置しないで、一
    般会計に繰り入れる場合においては、入湯税をこれらの事業に要する費用に充てる
    ものであることが明らかになるよう予算書、決算書の事項別明細書あるいは説明資
    料等において明示することにより議会に対しその使途を明らかにすること等を通じ
    て、住民及び入湯客に対しても周知することが適当であること。
 
  ※ 平成16年4月1日付けで4番目の事項として(4)を追加する改正がありました。
    その後、(3)中に「また、宿泊者であると否とを問わず」が加えられました。


配湯方式】

 温泉の集中管理は以下に分類できます。

 「循環方式」
   利用されなかった源泉をタンクに戻します。温泉街全体で循環しています。

 「魚骨方式」
   源泉から魚の骨のように温泉を分けて各旅館へ送湯のみ行います。温泉は一方通行です。

 「たこ足」
   たこの足のように、源泉・貯湯槽から個々の利用施設まで別々に配湯する方式です。

 「貯湯ローリー方式」
   湧出量が少ないため、貯湯して運搬します。

  ※集中管理循環方式の例
    上・中塩原温泉管理事業
    塩原第二自然郷
    日光市温泉給湯に関する条例

   集中管理魚骨方式の例
    奥日光開発株式会社

   貯湯ローリー方式の例
    日光和の代温泉


源泉かけ流し】

 「源泉かけ流し」の看板を掲げていても、法定事項の掲示をみると、
 「加温、温泉資源の保護と衛生管理のため循環ろ過、塩素系薬剤使用」だったりします。
 かけ流しの定義はないので、宿側、利用者側で定義の違いがあります。
 利用者は影響を与える事項の記載がない湯づかいをかけ流しと考えます。
 宿は常に源泉を投入していればかけ流しとうたうところ多いです。

 影響を与える事項で「加水」掲示の場合、
 泉温が高く加水で温度下げるのはとりあえず温泉の素性は保たれており納得できます。
 実際に加水率の表示もしているところも目にします。
 加水ではなく、熱交換器で泉温を下げている宿もあります。

 源泉不足を補う理由での加水の場合、どの程度加水しているのか表示(割合)が欲しいです。
 源泉不足で9割近くの加水は、その旨きちんと表記してほしいものです。
 源泉不足での加水が明らかなのに、単純泉にもかかわらず影響を与える事項に
 源泉が濃いので薄めていますと常識外の理由を記載していると唖然とします。


<温泉本の広告>

 「世界最新 チャンピオン 転回式消火器」
 明治35年「塩那温泉略誌」に掲載されている消火器の広告です。
 上下ひっくり返して使用する中央商会製造の消火器。
 大田原の特約販売店「山本久吾」とあります。
 温泉本の広告に消火器が出ているのが目を引きました。
 当時は宿の火事が多かったのではないかと推察されます。

  


温泉マニア

 はしご湯のすすめの記事に「へんないきもの(温泉マニア)」があります。

 温泉マニアの漫画は、インパクトありますね、秀逸です。これ好きです。


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